筋トレ女子として知っておきたいことの一つに、タンパク質の性質である「熱変性」が挙げられます。ご存知でしょうか??
トレーニングを頑張っていると、意識して食事にも気をつけたくなりますよね。
その中でも特に重要なタンパク質ですが、意外と知られていない熱によって様態が変わるという性質があります。
今回はそんなタンパク質の熱変性の原理について詳しくお伝えしていきます。
〜もくじ〜
タンパク質の基本性質をまず知ろう!

タンパク質ってよく耳にしますし、家庭科の授業なんかでも必ず一度はその働きについて勉強したことがある人がほとんどですよね。
ではそのタンパク質が熱変性することや、筋トレにどう関連するかは知らないという方も多いのではないでしょうか。
まずはそのタンパク質について改めてその性質を知っておきましょう。
身体をつくる「もっとも重要なもの」
タンパク質は20種類ほどのアミノ酸が結合してできた栄養素です。
そのアミノ酸の結合の組み合わせによって色々な分類のタンパク質に分けることが出来、またその出来上がった形状が網目状だっり鎖の形だったりすることで性質も変わってくるとても複雑なもの。
脂質・炭水化物と併せて3大栄養素と呼ばれるのはタンパク質が人間の「筋肉・臓器・体内の調整に使われるホルモン物質」の原料やエネルギー源となるからです。
筋肉だけでなく爪、骨や髪の毛、皮膚にいたるまで人間の細胞に大きく関与しています。つまりヒトの体はタンパク質なしではありえません。
タンパク質を英訳すると「プロテイン」という言葉になりますが、この言葉の語源は古代ギリシャ。
「プロティオス」という「もっとも重要なもの」を意味する言葉がもとになっているほどなのです!
熱変性ってどんな状態?
そしてタンパク質には熱を加えると様態が変わる「熱変性」という性質があります。
タンパク質の代表例でわかりやすいのが卵の白身ですが、調理するときに加熱すると透明だったものが白く変化しますよね。
これが熱変性を起こしている状態。先ほどタンパク質はアミノ酸の組み合わせと結合によって出来ている、ということは話しました。
この結合はタンパク質の種類によって違う形ではありますが、アミノ酸同士が水素結合によって立体構造を保っています。
熱を加えることでこの水素結合が切断され、立体構造が崩れていく段階で立体のなかに折りたたまれていた部分が露出してきますがこのような部分は親水性が低いためタンパク質同士でくっついていきます。
これを凝集と言いますが、熱を加えた卵白は確かに流動性を無くして固まってしまいますよね。
何度ぐらいでタンパク質は熱変性を起こすの?
この熱変性ですが、タンパク質の種類によって起こる温度は違います。それはタンパク質の結合の構造が違うからですね。
タンパク質の種類が沢山あることによって、内臓・筋肉・髪の毛などさまざまな組織の材料となることができます。
卵であれば卵白のなかのトランスフェリンというタンパク質は60度ぐらいで凝集が始まりますが、卵白全体が固まり始めるのは75度前後です。
ちなみに人体のタンパク質も42度以上から熱変性を起こす、と言われていますが、インフルエンザなどの感染症で42度近い高熱を出したり45度のお風呂に浸かったりしてもいきなり体の組織が固まってしまったりはしませんよね。
これは体内にあるタンパク質が水分で守られる構造をしているからです。卵白も65度のお湯に一瞬触れただけでは完全には固まりません。
ヒトの体も42度以上にさらされても一瞬で凝集は始まることはなく、血液の巡りを良くして冷やす働きが起こるため。
筋トレにはどう影響するの?気を付けるべきこと

筋肉はタンパク質から構成される組織の代表とも言えますが、筋トレを効果的に行うにはタンパク質の熱変性はどう関係しているのでしょうか。そこに詳しく触れていきましょう。
タンパク質がトレーニング後に大事な理由
日ごろの運動やトレーニングの中で筋肉は傷がつきます。この傷は食事から摂った栄養から常に回復をしてもらっているんです。
栄養が不足している状態が続いてしまうと筋肉は回復が促されないばかりか、体内のタンパク質が足りない場合には筋肉を分解してエネルギーへと変換され始めてしまうのですよ。
トレーニングをしっかり頑張って筋肉が損傷した状態で放置してしまうと、傷の回復もされないまま筋肉は更に体の維持のためのエネルギーへと使われていく一方。
筋肉量・筋力UPにはタンパク質をはじめとした栄養が必要不可欠なのです。
特に運動後30分以内は「回復のゴールデンタイム」と呼ばれ、傷ついた筋組織を修復するため栄養を吸収する力が高まるため、ここでしっかりと筋肉の材料となるタンパク質を補給することで筋肉の強化に。
プロテインを味方につけられるかどうか?
そこで大活躍するのがプロテインです。食品から摂るよりも効率的に素早くタンパク質を補給することができるため、トレーニング後に飲むことで素早く理想の筋肉を作ることが期待できます。
明治のSAVASのシリーズは日本で一番売れているというだけあって、飲みやすいという口コミが大多数ですね。
ラインナップも豊富で、ハイスペック向けやパワータイプ・スピードタイプなど、つけたい筋肉によって種類が違うのもスゴイところ。
こちらの200ml紙パックタイプは、筋トレや運動後にサッと飲める手軽なサイズでしかもほとんどプロテインの味を感じない優秀なフレーバーです。
低脂肪なのでカロリーにも配慮されていますし、すっきりした味わいのためスポーツのあとでもありがたいですね。持ち歩きも簡単なのが嬉しいです。
タンパク質の代謝を助けるビタミンBも1本で半日分摂れるので、いかにプロテインを上手に活用できるかで「筋育」が変わってきますね。
ですがプロテインを飲んだことがある方ならおわかりかと思いますが、プロテインの最強のデメリットは「飲みづらさ」。
上記のようにフレーバーがあるものはまだマシですが、まだまだ飲みづらいものも沢山あります。その理由の一つに「粉っぽい」というのが挙げられます。
大量に摂りたいならパウダータイプを沢山買って飲みたいところですが、あのダマができて飲みづらくてトラウマ・・・という人も少なからずいるはず。
あのダマがまずさに拍車をかけるため、できればしっかり溶かして飲みやすくしたい!そういう理由で「プロテインを温めて飲みたい」「料理などに混ぜ込んでしまいたい」と考えますよね。
そうなるとここで気になるのがここまでお話ししてきた「熱変性」です。
温めた牛乳などのドリンクに溶かしたプロテインが熱変性を起こして成分が変わってしまうことはあるのでしょうか。
プロテインパウダーも熱変性を起こす
結論から言うと、70度以上になるとプロテインパウダーも熱変性を起こします。ですがそれが栄養的に問題があるわけではありません。
熱変性とはタンパク質の分子の様態が変わるだけなので、栄養価が下がったりするわけではないのです。
そもそも食事から摂ったタンパク質は消化吸収の段階でアミノ酸に分解され、体に使いやすいように振り分けられていくためどのような形で摂っても問題ないのです。
ただ、焦がして炭化してしまうと組成が変わり栄養価を損ねてしまうため、料理よりも比較的低温のホットミルクなどで溶かすほうが良いですね。
ホエイ・カゼイン・ソイのいずれのプロテインも70度以上から熱変性が始まるため、人肌程度のぬるめのお湯や牛乳にしておくほうが飲みやすいでしょう。
まとめ
疑問は解消されましたか?筋トレのお供であるタンパク質は、その性質を知ってしっかり摂ればトレーニングの効果を何倍にも引き出してくれるはずです。
熱変性をしたとしてもその効果は変わりません。プロテインを摂っている人はちょっとでも飲みやすくなるよう工夫してみると良いですね。参考になれば幸いです。